逍遥作詞の「熱海市歌」を歌う出席者=起雲閣

 熱海市ゆかりの文豪坪内逍遥(1859~1935年)の命日の28日、「第46回逍遥忌記念祭」が昭和町の起雲閣で開かれた。式典と記念講演に市内外から約100人が集まり、日本の文学、演劇、教育の近代化に貢献した逍遥の偉業をたたえ遺徳をしのんだ。

 斉藤栄市長は逍遥の業績や熱海との関わりを振り返り「私たち熱海市民は、先生が愛したこの常春熱海を人々の心を癒やす町、文化の薫り高い町として、これからも先生の遺志を大切にしていく」と遺影に語り掛けた。早稲田大出身者の会「熱海稲門会」の西島幹人会長は「先生が残したたくさんの文化遺産を大切に守り、先生の教えをこれからの熱海を担う若者たちに引き継ぐ」と誓った。同大坪内博士記念演劇博物館の岡室美奈子館長も追慕の言葉を述べた。

 杉山利勝議長のあいさつの後、市民ら有志でつくる「坪内逍遥のうた保存会」が逍遥作詞の「世界の公園」「小蓬莱」を披露。また出席者と共に「熱海市歌」を斉唱した。

 記念講演は同博物館の児玉竜一副館長が「日本のシェイクスピア―坪内逍遥から蜷川幸雄まで」と題して行った。同祭終了後には関係者が海蔵寺へ墓参した。

 熱海の風土を好んだ逍遥は、1912(明治45)年に熱海に住まいを移し、20(大正9)年から水口町に建てた住居「双柿舎(そうししゃ)」で過ごした。市立図書館の前身となる図書館創設に尽力するなど、地域の文化振興にも貢献した。記念祭は市と熱海稲門会、同博物館が主催。逍遥の親族で女優の坪内ミキ子さんも出席した。

 【写説】逍遥作詞の「熱海市歌」を歌う出席者=起雲閣