3日、今シーズン初めてワカメを干す養殖業者=下多賀

 熱海市下多賀地区を中心に早春の風物詩となっている、国道135号沿いのワカメ干しが今年は、不漁で寂しい状況だ。「今年はワカメの収穫量が極端に少ない」と嘆く養殖業者もおり、見慣れたワカメの“カーテン”が登場しないまま、シーズン終盤を迎えた。大縄公園前では、3日にようやく一部の養殖業者がワカメを干したが、収穫を諦めて養殖棚を撤収し始める業者もいる。

 下多賀でつり船、貸しボートの内田丸を経営する内田信明さん(67)によると、今年の収穫量はほぼゼロで、養殖棚の片付けを始めるという。棚の大きさにもよるが、下多賀地区では1月下旬から3月1週目の期間に、1業者が平均1トンぐらい収穫する。海水温の上昇などから収穫量が徐々に減少、これまでも例年の半分、3分の1といった年もあったが、ここまで悪い状況は経験がないという。

 内田信明さんは「土産物屋や、大口の注文を寄せる客に事情を説明するのが大変だった。地域の産業を守りたいが、早朝から夕方まで続く仕事量や、見合わない収入などを考えると、継続が厳しい状況」と話した。

 下多賀で釣り船、貸しボート業を行う利一丸の内田利一さん(67)は、同日初めてワカメを干した。20キロほどで1回分としては約半分という。できれば今月中旬ま続けたいというが、好調な年の半分以下と予想している。内田利一さんは「11月ごろ種付けをしたが、大きくならず、2月中旬から伸び始めた。種付けを12月に延ばす方法もあるのではないか」と話した。

 今年は下多賀の5業者、小山、上多賀の各3業者が養殖を行った。上多賀地区は、2月18、19日に開かれたわかめまつりに出荷しており、同じ多賀エリアでも収穫量にやや差が出ている。

 【写説】3日、今シーズン初めてワカメを干す養殖業者=下多賀