「熱海温泉誌」の完成を報告する内田さん、石川さんら作成実行委員会メンバー=市役所

 ■市制80周年記念日に発売

 熱海市の温泉の歴史をまとめた「熱海温泉誌」がこのほど、完成した。温泉を“柱”に、歴史を文化や観光、人、まちづくり、科学的分析といったさまざまな視点からひもとき、魅力を発信する一冊で、市制施行80周年記念日の4月10日に発売する。30日には同誌作成実行委員会メンバーが市役所を訪れ、斉藤栄市長に完成を報告した。

 A4判オールカラー、384ページ。中世、近世、近代、戦後の時代区分に通史的な「熱海温泉再発見」を加えた五つの章で構成し、それぞれの時代を象徴するテーマの下、幅広い分野の専門家・研究者ら27人が執筆した。古絵図や写真、図表など700点余りを収載。市立図書館の所蔵資料をはじめ、海外から提供を受けた画像もある。巻末には温泉をキーワードに作成した年表を盛り込んだ。

 表紙は熱海のシンボルの梅や温泉の湯煙、海などをイメージしたデザインにした。実行委員会代表の内田実さんは「新しい知見がたくさん入り、古い知見ももう一度練り直して読み物として面白い、学問的にも意味のある温泉誌になった。オムニバス形式でコラムも載せているので、どこから読んでも楽しめる」とアピール。編集委員長を務めた温泉評論家で日本温泉地域学会長の石川理夫さんは「温泉観光都市熱海のよい財産になっていくと思う」と話した。

 斉藤市長は「温泉誌発行は市制施行80周年の最も大きな事業。素晴らしい内容で、市民に温泉地としての長い歴史と誇りを感じてもらえ、熱海が歴史のある温泉地だと証明する力強いツールにもなる。情報発信にも活用したい」と語り、編集委員をねぎらった。

 温泉誌の編さんは2004年の「魅力ある温泉活用プラン策定委員会」で提案され、09年に内田さんが理事長を務めていたNPO法人エイミック主導で勉強会がスタート。10年度以降、熱海温泉史誌策定検討会として資料収集・調査を重ね、14年に官民による同委員会が発足、編さんを進めた。

 温泉誌は定価3千円(税別)。市立図書館や書店で販売する。

 【写説】「熱海温泉誌」の完成を報告する内田さん、石川さんら作成実行委員会メンバー=市役所