40億円超のばく大な不良債務を解消する見通しとなった熱海市公営企業会計。最大の債務を抱えた公共下水道事業(写真は浄水管理センタ−)も健全経営へ第一歩を踏み出す=熱海市和田浜南

 ■経費削減や料金改定など行財政改革が結実

 熱海市が本年度、ピーク時に40億円超に膨らんだ公営企業会計の不良債務を全額解消する見通しとなった。経費削減、料金改定など市民の痛みを伴う行財政改革が10年を経て実を結び、健全経営の第一歩を踏み出す。

 同市の公営企業会計は上水道、下水道、温泉の3事業から成り、施設整備、管理・運営の高コスト体質、料金改定の遅れなどがあって企業債などを除く債務が年々増大。2005年の国際医療福祉大学熱海病院の新病院整備事業補助にからむ市の資金引き上げに伴い、長期借入金を市から金融機関に切り替えたことで不良債務として表面化した。

 その額はピーク時の06年度で下水道30億9千万円、上水道7億5千万円、温泉2億5千万円の計40億9千万円。債務は連結ベースで見た市財政の圧迫要因となり、財政破たんの危機さえ指摘された。

 同年9月に就任した斉藤栄市長は不良債務、底をつきかけた基金残高などの事態を重くみて同年12月に「財政危機宣言」を発表し、行財政改革に着手。3公営企業の人員と経費削減、料金値上げなどを進め、債務残高を11年に16億8千万円に削減し、12年には上水道と温泉の債務を解消した。最大の不良債務を抱えていた下水道も16年度末の残高を5700万円とし、本年度中の完済を見通せるまでになったという。

 斉藤市長は「痛みを伴う改革に理解と協力をしてくれた市民に感謝している。負の遺産の整理にめどがつき、これから新生熱海が始まる」と話した。

 【写説】40億円超のばく大な不良債務を解消する見通しとなった熱海市公営企業会計。最大の債務を抱えた公共下水道事業(写真は浄水管理センタ−)も健全経営へ第一歩を踏み出す=熱海市和田浜南