「DMOが拓く伊豆・熱海の可能性」をテーマに意見交換する大社さんら=市役所

 ■講演、討論で在り方考察

 熱海市は8日、オール熱海による観光地経営組織「熱海型DMO」の構築に向けたシンポジウムを市役所で開いた。市内の各観光協会と県、伊豆地域の観光関係者ら約30人が集まり、DMOの基本的な考え方や先進事例に関する講演とパネルディスカッションを通して、観光地経営の在り方を考えた。

 最初にDMO推進機構代表理事の大社(おおこそ)充さんが日本版DMOの必要性について語った。「観光振興のマイナス効果を極力減らし、プラスを大きくしていくために観光地経営が必要」と説明。熱海市に対して「受け入れ環境、来訪者、観光による地域へのインパクトの三つを“見える化”し、現状に基づいて方向性を皆で決めていってほしい」とアドバイスした。

 元ハワイ州観光局理事の木村恭子さんは同州でのDMOの役割と成果を語り、目標の一つに「住民の生活の質の向上に貢献する」があることも紹介した。

 市観光経済課職員が熱海型DMOに向けた課題を提起した上で、大社さん、木村さんと森本要副市長が「DMOが拓(ひら)く伊豆・熱海の可能性」をテーマに意見交換した。

 熱海の組織づくりに関して、森本副市長は市内に六つの観光協会がある現状を踏まえ「同じ目的を共有すると関係者がつながり、仕組みができていくと思う。まずは何のために、何をしなければいけないかをしっかりと議論していきたい」と語った。大社さんは「観光業が地元の若者の憧れの職場になっているだろうか」と問い掛け「雇用が今後の課題になるのではないか」と指摘した。

 市は2018年度以降の観光基本計画の策定にあたり、柱に観光地経営の推進組織を据え、選択肢の一つとして「熱海型DMO組織」について検討を始めた。シンポジウムは県や伊豆の各市町との連携による観光地経営の在り方を考える第一歩として開いた。

 【写説】「DMOが拓く伊豆・熱海の可能性」をテーマに意見交換する大社さんら=市役所