両宮丸を「よーよー」の掛け声を発して町内を引き回す若衆=網代

 ■週末開催で人出増 

 古くからの漁師町の伝統を今に伝える熱海市網代の阿治古神社(杉崎賢宮司)の例大祭が23日、本祭りを迎え、最大の呼びものである御神船「両宮丸」の引き回しなどがにぎやかに繰り広げられた。祭典は24日まで。

 奉仕者は酒を一切口にすることができないという全国でも珍しい祭典。少子高齢化による担い手不足で、7月19~21日の例大祭を今年初めて日程変更し、本祭りをサラリーマンや児童・生徒が参加しやすい日曜日とした。

 ■浦安の舞、鹿島踊り奉納

 神社で行われた神事では護持会、祭典実行委員会、町内会の関係者らが海上の安全と大漁を祈願。多賀小6年の鈴木琴葉さん、東山柚奈さん、日吉和美さん、松本未来さん演じる舞姫4人が厳かに浦安の舞を、同神社鹿島踊り保存会の男衆約40人が市指定無形民俗文化財の鹿島踊りを雄々しく奉納した。

 神事に続いて鳥居前を出発した両宮丸は長さ約12メートル、重さ2トン。小田原北条攻めに協力した褒美で豊臣秀吉から着用を許されたとされる「流しひょうたん」の幕染めの着物をまとった若衆が「よーよー」の掛け声を発して引き回し、曲がり角できしみ音を上げる巡行は迫力いっぱい。露払いと獅子舞を先頭にした総勢約25人の両宮丸の行列が行く先々では、住民が船にさい銭を投げ入れ、観光客が迫力のもようを盛んにカメラに収めた。山車の巡行、子ども神輿の練りも行われた。

 同神社護持会の森野千明会長(70)は「日程変更は賛否があり、400年の伝統を曲げた週末開催は苦渋の決断だった。人出もやや増えたようでほっとしているが、後日反省会を開き、来年以降の日程などは改めて話し合いたい」と話した。

 【写説】両宮丸を「よーよー」の掛け声を発して町内を引き回す若衆=網代

 【写説】厳かに浦安の舞を演じる女子児童4人=網代の阿治古神社