■平日日中の防災力強化

 熱海市消防本部は8月2日、消防団員を兼職する市職員の就業時間中の火災出動を始める。サラリーマンが多く、団員が手薄となる恐れがある平日日中の防災力強化が目的。市役所に併設の消防本部に安全装備を配備し、業務に支障がない範囲内で市内全域の火災現場に出動する。

 同市の消防職員は常備消防87人と消防団員384人。団員については人口減少、少子高齢化により定員450人を割り込んでいる。約7割がサラリーマンで平日日中は出動できないことも多く、問題となる時間帯の消防力強化が課題となっている。

 団員を兼ねる市職員の活動は、公務員の消防団活動を奨励する2013年の国の法整備に基づく措置。市議会6月定例会で一部議員からも要望があり、市と協議して市職員の業務中の火災出動を認める要領と、運用マニュアルを策定して始めることになった。

 消防団員として活動する職員は現在女性2人を含め計16人で、地元の分団に所属して地域の消防活動に取り組んでいる。マニュアルによると、出動は火災現場に限定。平日の就業時間内で職務に支障がない職員が参集し、消防本部に配備された活動服、ヘルメット、靴などの安全装備品を着用して市公用車で出動する。範囲は市内全域。活動は現地指揮本部の指揮のもと行う。

 消防本部の轡田(くつわだ)敏秀消防総務課長は「過去に出動団員が少なく消火に支障が出た例はないが、平日日中の消防力強化は市民の安心・安全につながる」と話した。市消防団副団長で市危機管理課に勤務する大石浩之さんは「消防服などの装備品がないために出動できなかったが、これからは最前線で消火活動に貢献したい」と抱負を語った。

 運用開始にあたって市は2日午後2時から、斉藤栄市長が兼職の市職員に訓示を行う。