別荘コンシャルジュ開設に向けて同僚と打ち合わせする池田さん=市役所

 ■所有者に観光情報など 年間利用回数は5・6回

 熱海市は8月1日、市内の別荘所有者に観光情報の発信や、行政サービスの相談・案内を行う「熱海型別荘コンシェルジュ」事業を始める。別荘所有者の満足度を高めて来訪頻度を増やし、経済振興につなげる新事業。国内有数の別荘地で、全国で唯一の「別荘等所有税」を課税している同市の新たな取り組みとして地方自治体、観光関係者らの注目を集めそうだ。

 市観光経済課観光推進室に担当職員を1人配置。別荘所有者だけが閲覧できる専用のホームページと電話回線、フェイスブックなどのSNSを通じて同市と周辺市町の観光、イベント、飲食店、別荘滞在時に必要な生活関連の情報を発信する。各種行政サービスの相談・案内、苦情にも当たり、別荘所有者のためのワンストップ窓口とする。市内の飲食店で別荘所有者だけが利用できるメニューなど、事業所の協力を得て特典やサービスの情報も提供し、プレミアム感を味わってもらえるようにするという。

 利用はメールアドレスを登録し、IDとパスワード、専用の電話番号の通知を受け取って始める。専用ホームページの開設は9月となる見込み。

 初代コンシェルジュを務める同課の池田佳世さん(24)は「熱海の魅力を伝え、別荘所有者と良い関係を築いて『熱海に別荘を持って良かった』と思ってもらえるようにしたい」と抱負を語った。

 同市内の別荘は約9100世帯。市が昨年行ったアンケート調査では年間の別荘利用回数は5・6回、1回当たりの滞在日数は3・2日。同市はコンシェルジュ事業を通して所有者の満足度を高め、来訪頻度と滞在日数増による市内での消費拡大を目指している。

 一方、1976年度から課税している法定外普通税の別荘等所有税は、上下水道やごみ処理、消防などにも応分の負担を求める名目で建物1平方メートル当たり一律650円を課税。本年度予算額は5億3100万円で、市税収入の5・5%を占め、市財政の重要な財源の一つとなっている。

 【写説】別荘コンシャルジュ開設に向けて同僚と打ち合わせする池田さん=市役所