特設舞台で「実朝の舞」を奉納する地元中学生=伊豆山神社

 「中秋の名月」の4日夜、熱海市内の伊豆山、来宮両神社で、お月見行事が催された。市民らが雲間に月が出現するのを待ちながら、舞や演奏を楽しんだ。

 ■歌献じ実朝の舞奉納 伊豆山神社

 伊豆山神社では同市と伊豆山温泉観光協会が「十五夜祭」を開いた。「第66回源実朝をしのぶ中秋の名月伊豆山歌会」の一環で、本殿前の特設舞台で出席歌人による献歌、地元中学生による「実朝の舞」の奉納などが繰り広げられた。

 作家の冴月さくらさんによる「平家物語」献読に続き、同神社の原口靖巨権禰宜(ごんねぎ)が神事を行い、市や伊豆山温泉観光協会の関係者らが玉串をささげた。

 歌会のジュニア部門で天位に選ばれた吉田涼乃さん(網代小6年)、高坂徠君(泉小5年)、渡辺晴人君(熱海中1年)、沢田卓馬君(同3年)が自作を詠み上げ、永田和宏さん、佐佐木頼綱さんら出席歌人4人が奉書紙にしたためた献歌を朗詠した。

 同神社に古くから伝わる「実朝の舞」は熱海中2年の和田愛海さん、豊嶋望生さん、坂本紗花さん、当摩由奈さん、中田百美さんがみやびやかに舞った。加藤登美緒さん、山口真紀さんが琴、須藤英二さんがフルートを献奏した。集まった住民、歌会出席者らは、虫の音が響く境内で繰り広げられる催しを堪能した。

 ■優雅な舞や調べ堪能 来宮神社

 西山町の来宮神社では「中秋観月祭」の演奏会が行われた。社殿前に約100人が集まり、優雅な舞や調べを楽しんだ。

 開演前、同神社の雨宮盛克宮司は最初の演目「悠久の舞」について「私の大好きな巫女(みこ)舞の曲で、昔は男舞だったらしい。とてもリズムのいい曲」と紹介した。巫女4人が、同神社の神職が奏でる笛、琴、笙(しょう)などの音色に合わせて舞い、厳かな雰囲気を醸し出した。

 舞台では出演者が交代しながら演目を進め、琴の「五十鈴川」、管弦の「黄鐘音取」などを約1時間にわたって披露した。

 演奏会の時間帯、同神社周辺はあいにく曇り空が広がった。満月に近い月はなかなか顔を出さなかったが、参列者が伝統の行事を堪能した。

 【写説】特設舞台で「実朝の舞」を奉納する地元中学生=伊豆山神社

 【写説】来場者を魅了する巫女舞=西山町の来宮神社