信綱の遺影に向かい歌をささげる凌寒会のメンバー=西山町の凌寒荘

 ひ孫・大野さん研究講話 国文学者、歌人として活躍した佐佐木信綱(1872~1963年)の命日の2日、信綱が晩年を過ごした熱海市西山町の「凌寒荘」で「信綱忌・短歌の花束」が催された。施設の管理・案内を担うボランティアグループ「凌寒会」(松井千也子会長)の会員ら15人が集まり、遺影の前で献歌し信綱の遺徳をしのんだ。

 信綱のひ孫で歌人の大野道夫さんも出席した。松井会長は来訪者が増加傾向にあることに触れ「凌寒荘には先生の心、魂が詰まっているのではないかと思う。会員はそれをできるだけ伝えている。皆高齢化し、人数も少なくなっているが、できる限り頑張っていきたい」とあいさつした。

 会員がそれぞれ、信綱忌に寄せて詠んだ歌を順にささげた後、大野さんが「佐佐木信綱研究」をテーマに講話した。

 同名の雑誌の第8号に特集「戦争と信綱」を掲載していることを紹介し「信綱は日本の近代化に伴う戦争のほぼ全てをリアルタイムで体験した」と説明。戦時中の歌や戦争観の解説を交え「信綱を研究すればするほどいろいろな人との関係が見えてくる」と語った。

 凌寒荘は2003年に市が取得し、翌年から土、日曜日のみ庭園を公開している。凌寒会は同年から信綱忌を催している。

 【写説】信綱の遺影に向かい歌をささげる凌寒会のメンバー=熱海市西山町の凌寒荘