中高生が舞う踊りの輪に入って、水役から海水を振りかけられる新婚の男性=下多賀の下多賀神社

 熱海市下多賀の下多賀神社で2日、市指定無形民俗文化財「水浴びせ式」が行われ、昨年結婚した地元出身の夫婦3組を迎えて花婿に祝樽(たる)の海水を浴びせ、前途を祝福した。

 新婚夫婦の家内安全、子孫繁栄を願って下多賀鹿島水浴びせ踊り保存会(梅原勝会長)が正月に行っている伝統行事。今年は神奈川県平塚市の谷口友紀さん・絵里香さん、長泉町の小河原智也さん・梢さん、東京都目黒区の岩沢利紀さん・夕子さんの各夫婦を迎えた。

 本殿で神事を執り行った後、境内で保存会の会員が「水浴びせ唄」を歌い、濃紺の着物に角帯、小刀を着けた地元の中高校生男子13人が輪になって水浴びせ踊りを奉納。この間、花婿が一人ずつ輪の中に入ると、「水役」と呼ばれる若衆がクマザサの葉に含ませた海水を振り掛けた。お祝い、見物に訪れた家族や住民は厳かに繰り広げられる伝統行事をじっと見守った。

 祝福を受けた谷口友紀さん(27)は「自分も中学時代に水浴びせ踊りを踊ったので感慨深い。笑顔あふれる家庭をつくりたい」と感想を語った。

 【写説】中高生が舞う踊りの輪に入って、水役から海水を振りかけられる新婚の男性=下多賀の下多賀神社