資料を示しながら熱海の歴史をひもとく北川さん=市立図書館

 ■「新政府の休養、外交の場」 

 熱海市立図書館は28日、「明治期の熱海」をテーマにした図書館講座を館内で開いた。嘱託職員の北川幹夫さんが明治維新を迎えた熱海温泉の様子について、所蔵の絵地図や写真、案内書といった文献資料を示しながら紹介した。

 「明治10年ごろまで、熱海は江戸時代の湯治場の面影をとどめていた」とし、西南戦争が大きな節目になったことを指摘。「新政府の大官たちが帝都に近いこの地の風光と温泉に目をつけ、つぎつぎと休養と外交のために来遊するようになった」という『熱海市史』の記述を紹介した。

 また来遊した著名人として牧野伸顕、大山巌、曽我祐準、渋沢栄一、大久保利通、伊藤博文、山県有朋、大隈重信らの名を挙げ「特に冬季は政府の中心が熱海に移ったような観があった」とし、熱海が重要な会談の場にもなったことを説明した。

 明治期の行政区割りや戸数・人口の変遷、交通の発達、温泉宿の変化にも触れ、保養地としての発展とともに近代化が進んだ町の様子を解説した。

 「熱海の歴史をひもとく」と銘打った本年度図書館講座の3回目で、市民ら約60人が受講した。次回は2月24日午後1時半から。一橋大大学院専任講師の高柳友彦さんが「『熱海温泉誌』からみる近現代の熱海」と題して話す。

 【写説】資料を示しながら熱海の歴史をひもとく北川さん=市立図書館