岡さん(右)の指導で組曲「白馬の海」の練習に励む団員とOG=昭和町

 ■熱海題材「白馬の海」「存在知って」

 熱海少年少女合唱団(鈴木規雄代表)は今春、熱海市内で開く定期演奏会で、同合唱団のために作られた組曲「白馬の海」を32年ぶりに全曲披露する。現在団員が小学4~6年生の3人と存続の危機にあり、団と共に組曲がうずもれてしまうことを危惧し、演目に選んだ。指導に当たる声楽家の岡範子さんらは「熱海の風土、歴史、風景を表現した情緒あふれる歌で、熱海の文化的財産ともいえる作品。多くの人に存在を知ってほしい」と話す。

 組曲は1986年、創立20周年記念に作られた。市内に別荘を所有していた作詞家小黒恵子さん(故人)が「梅の花」「白馬の海」「淡雪の町」「熱海ざくら」「海はともだち」の5編の詩を作り、著名な作曲家小林秀雄さん(同)が曲を付けた。全曲通しての合唱はこの年の記念演奏会の一度きりで、“幻の組曲”となっていた。

 同合唱団は66年に誕生して以降、定期演奏会に加え、“親善大使”として国内外で歌声を披露してきた。70~80年代に約70人を数えた団員は年々減り、近年はOGの応援を得て定期演奏会を開く状況が続いている。鈴木さんと岡さんは「新たな入団者がいなければ存続は厳しいのが現状」と語る。

 市民に組曲の存在を知ってもらい、団存続への協力も得たい―と考えた岡さんらの呼び掛けに、20周年当時在籍していたOGを含め市内外の21人が応じた。昨年9月から練習を重ねる。1期生の西村(旧姓・溪)節子さん(62)=横浜市=は「団を続けてくれる人がいたから、OGでいられる。やっぱり皆で歌うのは楽しい」、現役団員の山口陽加さん(第二小6年)は「ハーモニーをつくるのは難しいけれど、皆で一生懸命に歌いたい」と練習に励む。

 定期演奏会は3月25日午後2時から、起雲閣音楽サロンで開く。組曲「白馬の海」を披露するほか、現役団員らを中心にディズニー・ソングなどを歌う。伴奏はピアニストの宮本玲子さん。入場無料。問い合わせは岡さん〈携帯090(2683)5011〉へ。

 【写説】岡さん(右)の指導で組曲「白馬の海」の練習に励む団員とOG=昭和町