中国資本のホテルとして工事が再開されることになった熱海サンビーチ前の大型商業ビル=東海岸町

 ■中国系投資会社が土地・建物取得 新会社で運営

 事業主の経営破綻で建設が中断したまま放置されている熱海市東海岸町の大型商業ビルが、ホテルに用途変更して工事が再開される見通しであることが31日、関係者への取材で分かった。中国系投資会社が土地・建物を取得し、新規に設立する別会社が「熱海パールスターホテル」(仮称)として整備、運営するという。熱海サンビーチ前の国道135号に面した熱海を象徴する観光エリアにあり、放置ビルがもたらす景観面への影響を問題視していた市の関係者は、期待感を持って事業の進展を注視している。

 工事を担当するのは温泉施設の設計、施行、管理、運営を手掛ける「ネスパ」(東京都練馬区)。担当者によれば、地元町内会への説明会ですでに了承を得ており、4月中旬にも工事を再開する運びとなっている。工期は2019年3月末。ホテルのコンセプト、客室数などは「現時点では話せない」としているが、温泉に特徴を持たせた施設になるという。オープンは同年4月以降。詳細は運営会社が今秋、正式発表する。

 「つるやホテル」跡地に建つ問題のビルは敷地面積約6200平方メートル、鉄筋コンクリート・一部鉄骨造り地上10階建て・床面積2万6千平方メートルで、立体駐車場を併設する。首都圏を中心にマンション開発などを行う「ジョイント・コーポレーション」が飲食、物販の小売りと医療、健康関係のテナントが入る商業施設として2005年度に建設事業に着手した。だが、不動産市況の悪化などから同社は09年に会社更生法の適用を申請して倒産。工事は本体だけ完成したまま中断し、10年にわたって放置されている。

 土地・建物はその後所有者が転々としたが、工事再開の道筋が示されることはなく、熱海随一の目抜き通りで工事フェンスに囲まれた人影のない巨大ビルは景観面で問題視されていた。市は市庁舎として購入、整備を一時検討したが、過大な規模と防災面から見送った経緯がある。

 市の関係者は「重要懸案事項だったため、工事再開を歓迎したい。ホテルとしてオープンとなれば経済効果も大きい」と語った。

 【写説】中国資本のホテルとして工事が再開されることになった熱海サンビーチ前の大型商業ビル=東海岸町