法要を終えて参列者に頼朝一杯水と地蔵尊を市民に知らしめる必要性を説く高杉住職=上多賀

 熱海市上多賀の頼朝一杯水苑池で24日、子育て延命地蔵尊大祭が厳かに行われ、住民らが地元ゆかりの源頼朝と八重姫の子どもで、幼くして命を絶たれた千鶴丸を供養した。

 頼朝一杯水のわきに鎮座した地蔵とほこらを管理する上多賀の宝泉寺が毎年行っている。大祭では檀(だん)信徒約20人が参加してご詠歌を奉唱。般若心経を唱えて焼香し、千鶴丸を弔った。

 法要後、高杉伸道住職は「昭和36(1961)年に地蔵尊が代替わりしてこの地に安置されてから58回目の大祭となるが、存在を知る人は少ない。頼朝と八重姫の悲恋の史実などとともに市民に広く知ってもらいたい」と語った。

 頼朝一杯水は、八重姫の父で平家配下の伊東祐親に追われた源頼朝が伊豆山権現(伊豆山神社)に逃れる途中に立ち寄り、のどを潤したとされる水場。千鶴丸は平家との関係悪化を恐れた祐親によって命を奪われた。地蔵は江戸時代前期、この地で托鉢をしていた修行僧が安置したとされ、その後、「一杯水地蔵尊」「子育て地蔵尊」「峠のお地蔵さん」として住民に親しまれてきたという。

 【写説】法要を終えて参列者に頼朝一杯水と地蔵尊を市民に知らしめる必要性を説く高杉住職=上多賀