寄贈を受けた新艇の前で桐井さん(左から3人目)に競技会での活躍を誓う団員と山梨さん(右端)=上多賀の戸又港

 ■20年ぶり活動再開支援 団員「レースで勝つ」

 昨年20年ぶりに活動を再開した熱海市の少年ヨットクラブ「熱海ジュニア海洋クラブ」(高梨成太郎代表兼監督)に30日、東京の篤志家からヨットの新艇5隻の寄贈があった。現行の競技規格から外れた古い中古艇しか持たない同クラブにとって最高の贈り物で、新たな船出を迎えた団員は「レースで勝つ」と活躍を誓った。

 寄贈したのは鋼製下地材メーカー「桐井製作所」。別荘のある熱海市を拠点にプライベートでマリンスポーツを楽しむ桐井隆社長(47)が同クラブの活動再開と窮状を知り、「先々代からお世話になっている熱海への恩返しに」と寄贈を申し出た。

 新艇は「OP級」と呼ばれる全長2・31メートル、全幅1・13メートルの入門艇で、世界で少年の競技会が盛んに行われているクラス。同クラブ関係者からの要望を聞いて桐井社長が約400万円を投じて準備し、この日の寄贈式にこぎ着けた。

 上多賀の戸又港にある県立熱海高ヨット部艇庫前で行われた寄贈式には桐井社長、高梨代表と団員5人、市ヨット協会の山田茂次会長をはじめ約30人が出席し、新艇にシャンパンをかけて進水を祝った。桐井社長は「新艇をフルに活用してセーラー(ヨットの選手)を育て、子どもたちの健全育成を図ってほしい」と関係者を激励。団員を代表して多賀中1年の峯田龍君(13)が「新しいヨットでレースに勝ちます」と力強く抱負を語った。

 同クラブは1972年に発足し、全国大会や世界選手権で活躍する有力選手を輩出した。ピーク時には30人を超える小中学生団員を有したが、少子化で次第に減少し、20年前に活動を休止した。昨年4月、熱海高ヨット部監督を務めるOBの高梨代表が底辺の拡大と育成を目指して活動を再開した。だが、県内の少年ヨットクラブから譲り受けた中古艇は現行規格から外れ、競技会に参加できずにいたという。高梨代表は「会費などではとても新艇を購入できなかったのでこんなにうれしいことはない。全国、世界で活躍できるセーラーを育てたい」と話した。

 【写説】寄贈を受けた新艇の前で桐井さん(左から3人目)に競技会での活躍を誓う団員と山梨さん(右端)=上多賀の戸又港