津波バイオリンを奏でる真野さん=マリンスパあたみ

 ■市職員・真野さん弾き継ぐ 「震災復興支援の力に」

 東日本大震災の津波から生じた流木や倒壊家屋の木材で作られた「津波バイオリン」の演奏会が13日、「タカタ・フェスタin熱海」(実行委員会主催)のプログラムの一つとして熱海市和田浜南町のマリンスパあたみで開かれた。市内のバイオリン奏者が豊かな音色を響かせ、来場者を魅了した。

 奏でたのは市職員の真野有奈さん(41)。製作者の中沢宗幸さん(77)の著書で津波バイオリンの存在と、震災の風化を防ぐために各地の奏者で弾き継ぐプロジェクト「千の音色でつなぐ絆」を知り、「自分も弾いて復興支援の力になりたい。タカタ・フェスタで演奏できないか」と考え、実行委員会に相談。「フェスタの趣旨にぴったりの企画」(茶田勉実行委員会代表)とプログラムに盛り込んだ。

 真野さんは同プロジェクトで575人目の奏者で、「浜辺の歌」の独奏を皮切りに、ピアノの水野久恵さん(52)、打楽器の成瀬紀子さん(66)と共に「チャールダーシュ」「情熱大陸」など8曲を披露した。演奏後に「音に深みを感じた。喜んで聞いてくれる人が多く、思いをつなぐことができたのかなという感動があった」と振り返った。

 同フェスタには製作者の中沢さんも訪れ、演奏前に津波バイオリン製作の経緯や、バイオリンの大事な「魂柱」と呼ばれる部分に陸前高田の「奇跡の一本松」を使っていることを説明。「このバイオリンにはいろいろなメッセージが含まれている。あの日を忘れない―ということにつながるとうれしい」と思いを話した。

 【写説】津波バイオリンを奏でる真野さん=マリンスパあたみ