カツサンドを手にする二宮由未子さん(左)と長女の麻由子さん=中央町

 ■とんかつの名店 口コミでファン来店 「できる範囲で続けたい」

 とんかつの名店として知られた「喜撰(きせん)」=熱海市中央町=の人気メニューの一つ、カツサンドが“復活”し往年のファンらを喜ばせている。2代目店主の二宮良佐さんが2015年に他界し店を閉じていたが、妻由未子さん(60)と長女の長沢麻由子さん(30)がカツサンドのみ、提供を再開した。由未子さんは「皆さんが応援してくれる。できる範囲で続けていきたい」と話す。

 良佐さんの父・佐太郎さんが戦後、屋台から始め、1954年に店を開いた。独特のソースの味が評判を呼んだ。創業時から販売していたカツサンドは土産用としても人気で、予約して買い求める客が多かった。

 60年余り続いた店を閉じた後、由未子さんのもとには「店を再開できないか」といった声が寄せられていた。「店のシャッターを下ろしたままにしたくないという思いもあった。とんかつ店の営業は無理だけど、カツサンドだけならできるのではないかと考えた」と振り返る。

 麻由子さんや友人の協力を得て、日数・数量限定でカツサンドの提供を再開することになり、今年2月にフェイスブックで情報を発信した。3月から月に4日間だけ店を開け、手作りした出来たてを販売する。

 店にはフェイスブックや口コミで“カツサンド復活”を知ったファンが詰め掛け、毎月買い求める常連客もいる。長男聡史さん(32)も仕事の休みが開店日と重なると、千葉市から手伝いに来る。由未子さんは「『よく再開してくれた』『ありがとう』とお客さんに言ってもらえる。子どもたちもレシピを覚えたいと言い、仲間の応援もある。夫や義父も喜んでくれていると思う」とほほ笑む。

 カツサンドの販売日は、フェイスブックや店頭の張り紙で知らせる。希望日の3日前までの予約を呼び掛ける。問い合わせは喜撰〈電0557(82)5954〉へ。

 【写説】カツサンドを手にする二宮由未子さん(左)と長女の麻由子さん=中央町