中世社会における熱海について語る高橋さん=市立図書館

 ■武蔵大教授の高橋さん講演

 熱海市立図書館はこのほど、館内で本年度の図書館講座「熱海の歴史をひもとく」をスタートさせた。市民ら約50人が集まり、武蔵大人文学部教授の高橋一樹さんによる「中世の熱海郷をとりまく交通路」と題した講演に耳を傾けた。

 高橋さんは中世社会では、伊豆山(走湯山)と熱海郷は明確に分かれていたと説いた上で、鎌倉幕府が編さんした歴史書『吾妻鏡』などの記述に触れながら「中世の東海道は足柄路、箱根路のほかに、伊豆山を抜けていく沿岸のルートがあった。伊豆山を通過して三島へと抜けていくルートこそ、中世の第3の東海道だと考えている」と語った。

 伊豆半島と房総半島に囲まれた“内海”の海上交通についても史料をひもとき、「熱海が海上交通の要所として重視されたのは、相模湾に面しているだけでなく、伊豆半島のちょうど付け根にあり、伊豆半島の東西を結ぶ陸路の重要な地だったからこそ」と指摘した。

 図書館講座は本年度、全3回開く。次回は2019年1月19日で、市嘱託職員の北川幹夫さんが「大正・昭和初期の熱海温泉」と題して話す。

 【写説】中世社会における熱海について語る高橋さん=市立図書館