会員の宇田川さん(左)から太宰の生涯など聞く参加者=起雲閣

 ■宇田川さん“生涯”朗読

 熱海市の起雲閣ボランティア会(曽根正子代表)はこのほど、昭和町の同施設で作家太宰治をしのぶ「桜桃忌」を開いた。会員の宇田川本子さんが、自身で太宰の生涯などをまとめた原稿「桜桃忌」を朗読し、来館者を引き付けた。

 太宰は1948年3月、当時旅館だった同施設の「大鳳(たいほう」に2泊しており、宿泊した部屋を会場に使った。

 冒頭、曽根代表は「旅館だった当時第1回を開き、5回目を迎える。太宰が山崎富栄さん(共に入水自殺)と宿泊したこの部屋で、桜桃忌を開催する。今年は70年の節目の年でもある」とあいさつした。

 宇田川さんは、太宰の熱海の活動について「当時『人間失格』を執筆中だったが、実際に原稿を書いたのはこの部屋ではない。林ガ丘にあった起雲閣別館の雲井の間で約20日間執筆している」と説明した。

 2人の遺体が発見された忌日(6月13日)に合わせ、朗読会を開いている。午前、午後の2回行い、57人が参加した。

 【写説】会員の宇田川さん(左)から太宰の生涯など聞く参加者=熱海市の起雲閣