役づくりや熱海温泉の魅力などを語るパク・シフさん=桃山町の救世会館

 ■公募部門上映開始 県内外からファン

 熱海市で開催中の「熱海国際映画祭」(実行委員会主催)は29日、公募部門の上映が各会場で始まり、市民や観光客、県内外から駆けつけた映画ファンが世界の新進気鋭の映画人が製作した未公開作品を見て回った。話題の招待・企画映画の上映、俳優のトークショー、VR映画の試写と体験会など、映画祭ならではの催しもにぎやかに繰り広げられた。

 審査対象となる上映作品はコンペ部門が長編9本、短編27本の計36本、インディペンデントワールド部門が16本、学生のニュー・ジェネレーション部門8本。来場者は若き映画人の情熱と挑戦、世界観があふれる作品を観賞し、舞台あいさつに立つ監督らの話に耳を傾けた。

 起雲閣で長編映画を観賞した沼津市の会社員岩本洋一さん(50)は「未公開映画を見るのは初めて。楽しめた」と満足げ。年間600本を超す映画を見ているという名古屋のシネマライター白井美紀子さん(72)は「難解だったが、製作者の意欲が伝わる作品だった。地方の映画祭として注目しているし、2日間で多くの作品を見るつもり」と話した。

 熱海商工会議所で午前中に上映予定だった長編「バーナード・アンド・ヒューイ」はスクリーントラブルのため中止となり、期間中のリピート1回のみの上映となった。

 ■韓流スターに熱狂 パク・シフさん トークショーで裏話

 桃山町の救世会館では企画作品部門で韓国映画の「殺人の告白」の上映と、主演のパク・シフさんのスペシャルトークショーが行われ、全国各地から集まった女性ファン約300人が憧れの韓流スターに熱狂した。

 トークショーでパクさんは役作りや撮影時の苦労など、舞台裏のエピソードを披露。車を使ったアクションシーンでは「真冬にガウン1枚で撮影したので寒かった」などと語った。温泉好きで熱海来訪は3度目であることも明かし「昨日から温泉に何度も入っています」と言って地元ファンを喜ばせた。

 神奈川県大井町から飛んできたファン歴5年の主婦田村久美子さん(57)は「初めて間近で見た。端正で清潔感があってすてき」と感激しきりだった。

 ■VRで仮想空間体験 起雲閣

 昭和町の起雲閣では公募部門のVR(バーチャルリアリティー)の短編4作品の試写とVR体験会が行われ、来場者が未知の仮想空間体験を楽しんだ。

 4本は700匹のサメの群れが泳ぐ真夜中の海中ダイビング、心臓発作に苦しむ高齢者の心の中を体験する作品など。専用ゴーグルを通して目の前に広がる仮想空間に来場者は息をのんだ。最新のVR体験では竜の背中に乗った360度の飛行体験も人気を集めた。

 熱海国際映画祭の視察で訪れ、VR体験に挑戦した愛媛県職員の丹章郎さん(42)は「本当に空を飛んでいるような気分になった。松山市でも映画祭を行っているが、多彩なイベントも用意した熱海国際映画祭は参考になる」と話した。

 【写説】役づくりや熱海温泉の魅力などを語るパク・シフさん=桃山町の救世会館

 【写説】VRで疑似飛行体験を楽しむ来場者=昭和町の起雲閣