風景を題材にした作品が並ぶ「吉田博 木版画展」=MOA美術館

 熱海市桃山町のMOA美術館で8月28日まで、展覧会「吉田博 木版画展」が開かれている。明治から昭和にかけて風景画の第一人者として活躍した吉田博(1876~1950年)の木版画を中心に77点が並び、自然の美しさを表現した作品が来館者を魅了している。

 吉田は49歳で初めて自身の監修による木版画作品を発表し、西洋の写実的表現と日本の伝統的な木版画技法を統合した新しい木版画の創造を目指した。

 今回の展覧会では富士山の雄姿を描いた「冨士拾景」、刻々と変化する海の表情を表した「瀬戸内海集」のシリーズをはじめ、96回も重ねずりを施した「陽明門」、「ナイアガラ瀑布(ばくふ)」「グランドキャニオン」「タジマハルの庭」「マタホルン山」など国内外での写生を元に制作した作品が並んだ。

 終生山岳に親しんだことから、山を題材にした作品も多い。伊東市から訪れた安田保さん(54)は「吉田博の作品が好きで楽しみに来た。山岳の風景の表現は素晴らしい。これだけ多くの作品を一度に見る機会はあまりないので良かった」と満足そうに話した。

 28日は講演会とすりのデモンストレーション、8月4、11日は学芸員による美術セミナーを催す。

 問い合わせはMOA美術館〈電0557(84)2511〉へ。

 【写説】風景を題材にした作品が並ぶ「吉田博 木版画展」=熱海市のMOA美術館