「楠への小路」の通り初めを行う神職=来宮神社

 ■「緑涼やか気持ちいい」

 熱海市西山町の来宮神社に今夏、国指定天然記念物「大楠」へと続く参道「楠への小路」が誕生した。日本の古典植物を中心に約6千株が植わる“緑のトンネル”で、14日には神職が清めの神事と通り初めを執り行い、完成を祝った。

 本殿に向かって左手前から、ご神木でもある大楠へと続く参道で、枝道を合わせ延長約100メートル。従来の真竹、孟宗竹に加え、道の両側にアオキ、ヤツデ、オカメササ、オロシマチク、ツワブキ、キチジョウソウ、ヤブラン、ヤブコウジなど「祝い」や「災いよけ」のいわれがある植物を植え、通路部分はケイ藻土で仕上げた。

 緑に包まれた空間を抜けると、樹齢2千年超の荘厳な大楠の姿が現れる―という“仕掛け”で、早速通った参拝者からは「緑が涼やかで気持ちいい」といった声が上がった。

 同神社の祭神・五十猛命(いたけるのみこと)が祭られてから1300年の節目を迎えた2010年から進める境内緑化事業の一環で整備した。第1期として16年4月に竹類を植え、今年6月からの2期工事で新たな植栽など造成を進めてきた。排水溝も増設し、雨天時の水の流れを良くした。

 雨宮盛克宮司は「神話の中で五十猛命は多くの植樹を施した神と伝えられ、その神徳にあやかった記念事業。自然の中で四季の移ろいを感じ、参拝者が癒やされる『きのみやの杜(もり)』を目指し、今後も境内環境づくりに努めていきたい」と話した。

 【写説】「楠への小路」の通り初めを行う神職=熱海市の来宮神社