スマホで多言語音声翻訳アプリを操作する救急隊員=市消防署

 ■翻訳アプリを導入 

 訪日外国人旅行者の増加を受け、熱海市消防本部が救急現場における多言語対応に注力している。救急隊員が携行する業務用スマートフォンに多言語音声翻訳アプリを導入したほか、電話通訳センターを介した119番の多言語対応も現在計画中。2020年東京五輪・パラリンピックなど今後のインバウンド(訪日外国人旅行者)の拡大をにらみ、外国人の安心・安全を守る体制を強化する。

 多言語音声翻訳アプリは消防庁消防研究センターと情報通信研究機構が共同開発した「救急ボイストラ」。英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語など15カ国語に対応し、外国語と日本語をそれぞれ音声と文字で瞬時に翻訳する。同本部は医療機関との連絡のために救急隊員が携行するスマートフォンに導入した。

 従来は専用の単語カードを使って傷病の程度などを確認していた。市消防署救急係主幹の藤間千昌さん(40)は「アプリの導入で現場のコミュニケーションが円滑になった」とその効果を説明。適切かつ迅速な救急対応を可能にしたという。

 同本部はさらに、消防庁が導入を奨励する民間の電話通訳センターを介した三者間同時通訳による119番の24時間多言語対応も計画。市に予算要望し、来年度中に運用を始めたいとしている。

 17年中の同市の外国人宿泊客は約3万人で、全体に占める割合は1%。一方、今年の外国人の救急搬送は17日現在35人で、昨年1年間の15人をすでに上回っており、今後も増えていくことが予想される。担当者は「外国人旅行者にも市民らと同等の救急サービスを提供し、安心して熱海市に滞在してもらえるような体制を整えていきたい」と話した。

 【写説】スマホで多言語音声翻訳アプリを操作する救急隊員=熱海市消防署