■東京都市大の早坂教授、学術誌に論文掲載 要支援・要介護2194人を調査

 熱海市の協力で温泉と健康の因果関係を研究している東京都市大の早坂信哉教授はこのほど、自宅に温泉を引いて日常的に入浴している要介護者を対象とした最新の調査で、「自宅への温泉設置が介護状態の悪化を予防することと関連因子がある」との結果を公表した。論文は世界的な医学・科学技術出版のエルゼビア社(オランダ)の学術誌に掲載された。

 調査は同市が提供した介護保険データを活用し、2017年3月時点で要支援・要介護認定を受けている市民2719人から2回以上介護認定を受けている2194人を抽出。初回と17年3月時点の介護度を比較し、介護度が改善または同じだった人を「維持改善群」、悪化した人を「悪化群」として各人数を調べ、自宅での日常的温泉利用者のデータと照らし合わせた。

 その結果、維持改善群1192人のうち温泉設置者は1050人、未設置者は142人。オッズ比(統計学的な尺度)を算出し、有意な関連があるとの結論に達したという。

 早坂教授の共同研究者で、同市に調査を提案した温泉療法専門医の内田実医師(内田耳鼻咽喉科院長)は「温泉と健康の関係が少しずつ解明され、うれしい結果となった。研究をさらに進め、熱海温泉のPR、温泉を活用した健康づくりにつなげたい」と話した。

 早坂氏は市、市医師会などの協力を得て13年度から温泉と健康の因果関係を調査・研究している。