信綱の遺影の前で歌をささげる凌寒会のメンバー=西山町の凌寒荘

 ■活動の在り方で意見交換

 歌人、国文学者として活躍した佐佐木信綱(1872~1963年)の命日の2日、信綱が晩年を過ごした熱海市西山町の「凌寒荘」で「信綱忌・短歌の花束」が催された。施設の管理・案内を担うボランティアグループ「凌寒会」の会員10人が集まり、遺影の前で献歌し信綱の遺徳をしのんだ。活動の在り方についても意見を交わした。

 会員がそれぞれ、信綱忌に寄せて詠んだ歌を順にささげた後、信綱の下で原稿の清書などに携わった山内千恵子さん(88)が在りし日の信綱の様子を語った。凌寒荘での暮らしぶりを交え「何にでも興味を持たれた。義理堅く、情があり、私の自宅が火事になった時も見舞いに来てくださった」と振り返った。

 また、凌寒会の活動が15年の節目となることに触れ「出発点に戻り、ボランティアを増やすことを考えたい」と語った。会員からは「広くボランティアを募ったらどうか」という声が上がる一方で「短歌をやっている人でないと、入れ込んで活動できないのではないか」「信綱先生のいたときの雰囲気を残すことが大事。それを考えると難しい」と話す会員もいた。

 高齢化により活動できる会員が限られている現状を踏まえ「活動も限界。市に全面的に任せたほうがいいのではないか」といった意見もあった。松井千也子会長は「凌寒荘を守り、信綱先生の功績を伝えていくためにも、今後ボランティアの在り方を考えていきたい」と語った。

 凌寒荘は2003年に市が取得し、翌年から土、日曜日のみ庭園を公開している。凌寒会は管理・運営に携わり、同年から信綱忌を催している。

 【写説】信綱の遺影の前で歌をささげる凌寒会のメンバー=熱海市西山町の凌寒荘