■温暖化影響か 種成長せず“溶ける”現象も

 熱海市の多賀地区で、一部のワカメ養殖業者が種の生育不良に頭を悩ませている。温暖化などの影響のためか、ワカメが成長せず“溶ける”現象も発生し「このままではほとんど収穫できないのではないか」と不安の声も上がっている。

 市内では上多賀から下多賀にかけて8軒ほどの業者がワカメを育てている。以前はワカメの胞子をロープに挟み込む種付けを11月に行っていたが、水温が下がらないため今年は12月上旬に実施した。生育具合は「例年と同じぐらい」「種の成長があまり見られない」と業者によって差が大きい。

 多くの種が溶けてしまったという石井勝夫さん(76)=上多賀=は「例年20~30センチぐらいまで葉が伸びている時期なのに今年は良くて10センチ程度。2、3センチ葉が伸びていたワカメもほとんど駄目になってしまった」と嘆く。

 種の仕入れ先である、東京都の業者でも生育不良が起きているという。これまでは生育が悪ければ追加の種付けをするなどの対応をしてきたが、今回は新たに仕入れるのが難しい。石井さんは「今は残っているワカメの成長を見守り、対策を考えたい」と話した。

 ■2月23、24日のまつりは中止 多賀観光協が別日程の開催検討 

 熱海市の多賀観光協会は、来年2月23、24日に開催を予定していた「第34回伊豆多賀温泉わかめまつり」を中止する。ワカメの種付けが遅くなっていることなどから、生ワカメやメカブの数量確保が難しいためという。このほど開いた理事会で決めた。

 同まつりは多賀湾のワカメ漁期に合わせた恒例のイベント。2015年までは3日間開いていたが、不漁のため16年から2日間に短縮するなど規模を縮小している。同協会は中止について「苦渋の決断」と話す。ワカメの生育が進む1月中旬に、別日程での開催が可能か検討する。