短歌をメモしたスマホを手にする沢田さん

 ■スマホで“覚書”応募 通学電車の同年代詠む

 第33回全国高等学校文芸コンクールの短歌部門で、熱海市に住む沢田詩織さん(18)=県立沼津西高3年=が入選した。県内からは他の6部門も含めて唯一の入選者で、沢田さんは「まさか入選するとは思わなかった。びっくりしたけれどうれしい」と笑顔を見せた。

 入選作は「黄昏の車内に眠る少女らをほそく繋ぎて揺れるイヤホン」。通学で利用する電車の中で、同年代の2人がイヤホンを片方ずつ耳につけて眠る光景を見て詠んだ。「『ほそく』を漢字で書くよりも、平仮名の方が2人のつながりの頼りなさが表れると思った」と振り返る。

 第二小在学中から、折に触れて行事の感想などを歌に詠み、市内の短歌大会で入賞・入選を重ねてきた。高校入学後、歌人谷岡亜紀さんに師事し添削指導を受けるようになり、日々の暮らしの中で詠むようになった。スマートフォンに作品を“覚書”していて、その数は年で数百首に上るという。

 「高校生しか応募できないコンクール。最後の機会だから」と今夏、母親に勧められ、覚書の中から作品を選んで応募した。全国規模のコンクールでの入選は今回が初めて。大学受験を控えるが「短歌は生活の一部のようになっている。これからも作り続けたい」と力を込めた。

 高校生の文芸創作活動の振興と向上を図ることを目的に、全国高等学校文化連盟などが主催するコンクールで、今回は小説、文芸評論、随筆、詩、短歌、俳句、文芸部詩の7部門に3万3385点が寄せられた。短歌部門では最優秀賞1点、優秀5点、優良賞10点が選ばれ、入選は15点だった。

 【写説】短歌をメモしたスマホを手にする沢田さん