ご開帳された毘沙門天像に手を合わせる地域住民ら=下多賀の小山毘沙門堂

 ■住民ら次々訪れ拝観

 熱海市下多賀の小山毘沙門堂で3日早朝、大祭が開かれ、鎌倉時代を代表する仏師・運慶の作と伝えられる毘沙門天像がご開帳された。拝観できるのは正月3日の午前5時半からの1時間のみとあって、住民らが次々と訪れて手を合わせた。

 毘沙門堂を抱える富西寺の小野歓芳住職による読経が始まると、御簾(みす)がゆっくりと上げられた。読経と堂守の柳下キクエさん(98)が打つ太鼓の音が響く中、堂内外に集まった人たちは家内安全や商売繁盛などを祈った。

 東京都内から参拝に訪れたという会社員の女性(48)は「すすもそのまま残っていてすごいと思った。間近に見ることができてよかった」と満足そうに話した。

 関係者によると毘沙門堂の歴史は不明だが、かつては大漁祈願の神として網代の漁師たちの信仰を集めたという。1975年に奉賛会が発足し、大祭の準備や運営に小山町内会とともに当たっている。蒔田広康・奉賛会長は「地域で協力して、平成最後のご開帳を無事に終えることができた。この1年、平穏に過ごせたらいい」と語り、母から引き継いで50年以上堂守を務めているという柳下さんは「無事に終え、ただただ安心した。感謝している」と笑顔を見せた。

 【写説】ご開帳された毘沙門天像に手を合わせる地域住民ら=熱海市下多賀の小山毘沙門堂