■対象の飲食店など手数料、手間に二の足 

 熱海市が本年度創設したキャッシュレス決済端末の補助事業の利用が伸び悩んでいる。500万円の枠に対し、現在の利用は約10件30万円にとどまり、予算額の1割に満たない状況。手数料の発生、導入の手間などを嫌って二の足を踏む事業所が多く、市の担当者は利用促進に頭を悩ませている。

 公衆無線LAN、トイレの洋式化に続く外国人観光客受け入れ環境整備事業のメニューとして導入した制度。ICクレジットカード、電子マネー、交通系電子マネーが利用できるキャッシュレス決済端末の導入経費の2分の1、5万円を上限に助成している。対象は宿泊、観光施設、小売り店、飲食店、交通事業者など。

 同市では当初、タクシー会社など大口の利用を想定していたが、当て込んでいた事業所が導入を延期。小売り店や飲食店からの申請も少なく、年度途中で予算額に達するだろうとの当てが外れる結果となった。

 原因について市は売上の3%台がかかる手数料と導入の手間に加えて、相次ぐオンライン決済サービスの登場で激化する市場への困惑が背景にあると分析。10月の消費税増税に合わせて国が計画するキャッシュレス決済を対象としたポイント還元事業を見極めたいとの思いもあるとの見方を示す。

 市観光経済課の担当者は「外国人に限らず、国内旅行者もキャッシュレスを求める人が増えており、何も対策を行わないわけにはいかない。来年度も同程度の予算を確保し、事業者へのPRに力を入れ、普及を進めていく」と話した。