石碑に花を手向ける北島さん=春日町

 ■北島さん「新時代へ語り継ぐ」 故山口さんの遺志受け継ぐ

 熱海市春日町に建つ「二・二六事件 河野寿大尉自決の地」の記念碑に26日、郷土史研究グループの会員が訪れて花と線香を手向けた。長年慰霊を続け、碑の建立にも携わった女性の遺志を受け継ぐ北島鉄修さん(75)で「時代が変わっても年に一度は慰霊し、事件と熱海のつながりを語り継いでいきたい」と思いを話した。

 同事件は陸軍青年将校らによるクーデター未遂で、1936(昭和11)年2月26日に起きた。河野大尉は湯河原町の「光風荘」にいた牧野伸顕前内大臣を襲撃し負傷。春日町にあった陸軍病院に運ばれたが、決起隊が「騒擾(そうじょう)部隊」とされたことを知り自決した。

 北島さんは、故・山口藤子さんから慰霊の気持ちを受け継いだ。当時、熱海尋常高等小6年だった山口さんは事件に関心を持ち、資料を収集。平成に入る頃に自決の地を確認し、以来毎年慰霊を続けた。2003年には有志と遺族で記念碑を建立した。

 山口さんから郷土史を伝え聞いてきた北島さん自身、15年から慰霊に訪れるようになった。昨年大病を患ったが「一昨年亡くなった山口さんから『後を頼む』と言われている。熱海の歴史の一端を伝えていくためにも慰霊を続けたい。この地にまつわる歴史に興味を持つ人が出てくるといい」と語った。

 【写説】石碑に花を手向ける北島さん=熱海市春日町