消防団員の誘導で多賀小まで避難する訓練参加者=下多賀

 ■自主防など900人参加 下多賀、買い物中想定

 東日本大震災の発生から8年になるのを前に10日、県内の沿岸17市町で津波避難訓練が行われた。熱海市では各自主防災会の会員ら約900人が参加し、高台や津波避難ビルへの避難、講話、防災倉庫の点検などを通して備えを再確認した。

 相模トラフ沿いで最大クラスの地震が発生し、沿岸に津波が襲来する―という想定。午前10時すぎに同報無線で大津波警報のサイレンと避難誘導の放送を流し、緊急速報メールを配信した。

 下多賀町内会では海近くのスーパーマーケットなどで買い物中を想定し、住民らがJAあいら伊豆下多賀支店駐車場から多賀小グラウンドまで避難する訓練に取り組んだ。消防団員や熱海署員の先導・誘導で、子どもからお年寄りまで約40人が緩やかな坂道を歩いて上り、所要時間を確認した。車椅子利用者を避難させるのに必要な時間も計った。

 避難訓練後、下多賀公民館で防災講話も実施した。海辺から海福寺への避難訓練に参加した住民らも集まり、大石浩之・市危機管理課主幹から、津波浸水被害想定図などを踏まえて津波対策を聞いた。大石さんは「津波は50センチの高さでも人は流されてしまう。2メートルでは木造住宅が倒壊する」と説明し、防災訓練の重要性を説いた。

 幼稚園児と小学生の子ども3人を連れて参加した横田こず恵さん(44)は「毎年参加している。子どもたちに避難の大切さを意識づけたい」と話した。牧野キヨさん(72)は「学校まで5分かからずに行けたが、実際に避難する時にどれだけ急ぐことができるか心配」と語った。

 訓練は2011年3月11日の東日本大震災を教訓に、本県が定めた「津波対策推進旬間」(6~15日)の一環で行われた。

 ■オレンジ旗で避難誘導 ビーチクラブ「津波来た時の目印に」

 熱海サンビーチでは、熱海ビーチクラブ(光村智弘代表)が津波防災の合図として掲げる「オレンジフラッグ」を使用した避難訓練を繰り広げた。

 オレンジフラッグは地震発生時に海にいる人に津波の危険を伝えたり、津波避難ビルを知らせ誘導したりするために使う。参加者は鮮やかなオレンジ色の旗を持ち、砂浜から北西約150メートルの坂、海抜18メートルの古屋旅館前まで避難した。

 光村代表は「津波が来た時、観光客など熱海に慣れていない人が、どこに避難すればいいか目印になる。安心して熱海旅行ができるという啓発にもなる」と話した。

 ■避難経路を整備 網代南町内会役員が草刈り作業

 網代南町内会は10日、避難経路の草刈りを行った。役員3人が出て草刈り機で竹や雑草を刈り、移動しやすいように整備した。

 市消防団第10分団詰め所横から気象観測所方面に続く階段では、通路に倒れかかる竹や木を伐採し、見通しを良くした。階段の長さは約90メートルだという。

 喜地堯会長は「避難しやすいように年数回やっているが、大変な作業」と話した。

 【写説】消防団員の誘導で多賀小まで避難する訓練参加者=熱海市下多賀

 【写説】オレンジブラッグを掲げ避難する参加者たち=熱海サンビーチ

 【写説】避難路脇の雑草を刈る参加者=熱海市網代