扇子を火にくべて供養する芸妓衆=上宿町の大乗寺

 ■「熱海発展へ精進」 

 熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合(西川千鶴子組合長)は19日、芸事に欠かせない道具に感謝する「撥扇(はっせん)塚供養祭」を熱海市上宿町の大乗寺で開いた。紋入りの色無地の着物に身を包んだ芸妓衆約30人が出席し、役目を終えた扇子や三味線の糸、撥(ばち)などをたき上げて、芸事のさらなる上達を祈った。

 たき上げは境内の供養塔前で実施した。芸妓が順番に扇子や茶道具などを火にくべ、手を合わせた。28、29日に開催の一大興行「熱海をどり」の無事成功を祈る芸妓もいて、琴千代さんは「憧れの舞妓(まいこ)役を務めるので、精いっぱい頑張りたい」、小夏さんは「見ている方々に情景が伝わるように踊りたい」と語った。

 先立つ法要では、代表して琴千代さんが「壊れ、使えなくなった道具を感謝の気持ちとさらなる技量の習得に向けて、心を新たにして供養する。心癒やされる観光地へ熱海温泉がますます発展するため、芸妓一同いっそう精進する」と祭文を読み上げた。

 同寺は熱海花柳界の始祖・坂東三代吉の菩提(ぼだい)寺で、撥扇塚は芸道具の供養塔として同組合などが建立した。供養祭は1992年に始まり、28回を数える。

 【写説】扇子を火にくべて供養する芸妓衆=熱海市上宿町の大乗寺