試食会で「湯遊サバ」を紹介する右田社長(右)=熱海商工会議所

 ■6月にも本格出荷 専門商社と網代漁業

 熱海市の網代湾で養殖し加工したサバを「湯遊(ゆうゆう)サバ」と名付け、新たな地域産品として育てようと、“サバの専門商社”が地元水産会社とタイアップして養殖事業を進めている。6月中旬以降の本格出荷と、網代港周辺へのサバ料理専門店の出店を目指す。24日には地元の観光関係者らを招いて、初の試食会を開いた。

 大阪を拠点に各地でサバ料理専門店などを展開し、サバのブランド化のプロデュースも手掛ける「鯖や」(右田孝宣社長)で、福井県小浜市と連携して「よっぱらいサバ」を売り出した実績を持つ。未利用魚を育てたり、餌にしたりして「サスティナブル(持続可能)な養殖」の展開を図る中で、「網代漁業」(泉沢宏社長)とタイアップ。地域活性化も視野に昨年、網代湾での養殖事業に乗り出した。

 天然に近い形で養殖するのが特徴で、餌の配分により味や脂ののりを調整するという。「湯遊サバ」は温泉街で湯遊びをする様子をイメージした名で、右田社長は「温泉のように湧き出る自然の力をたっぷりと浴び、ストレスの少ない環境でゆったり泳ぎ育った悠々自適なサバ」と意味を説明する。

 熱海商工会議所で開いた試食会には、本来の味を確かめてもらおうと、鮮度のよいまま瞬間冷凍することで刺し身で食べられるようにしたサバを用意した。「おいしい」「食べやすい」といった声も上がった。

 参加者から寄せられた意見を踏まえ、本格出荷に向けて味(餌)を調整していく考え。右田社長は「観光資源として漁業を育てることが目的。養殖いけすを見ながらサバを食べられる店も出す。サバを食べに網代に行こうという流れができたらいい」と話した。

 【写説】試食会で「湯遊サバ」を紹介する右田社長(右)=熱海商工会議所