1997年に熱海駅で両陛下をお迎えした際の写真を手にする川口さん

 ■熱海駅貴賓室に招かれお話

 1994(平成6)年9月、私は熱海市長に選任された。そして97年8月、両陛下がご静養のため下田市・須崎御用邸へ向かわれる際、熱海駅で乗り換えられた。県知事をはじめ、多数の県議、熱海市議、大勢の市民の歓迎を受け、熱海駅貴賓室に入られた。私も皆さんと一緒に別室で待機していたところ、侍従の方から「熱海の市長さん、貴賓室へお入りください。両陛下がお待ちです」と言われました。まったく突然のことで頭が真っ白になりましたが、ご了解を得て藤間督夫議長と貴賓室へ入りました。

 貴賓室は10畳間ぐらいで、真ん中にテーブルと椅子4脚があり、両陛下は立ってお迎えくださいました。青天のへきれきで、議長と2人緊張していたところ、陛下から「お楽に」というようなお言葉があり、10分か15分ご一緒に過ごさせていただきました。

 両陛下からは「熱海の現状は、特に観光の方はどうですか」とか「熱海は景色もよく、なんと言っても温泉の町ですね」というようなお尋ねと、市民へのご心配がありました。私は藤間議長と2人で、「今熱海はなかなか大変ですが、温泉の町づくり、文化の町づくりを市民と共に頑張っております」というようなことをお答えしました。両陛下が熱海市民をご心配なされていることを強く感じました。

 次は99年8月、あまぎの森全国植樹祭の時で、両陛下はやはり新幹線ホームで大勢の出迎えを受けられた後、貴賓室へ入られました。やはり侍従の方からお話があり、今度は田島秀雄議長と2人でお目にかかりました。

 陛下からは熱海の街、また市民をご心配されて種々お尋ねがあり、励ましのお言葉をいただきました。皇后さまからはその頃、当地方を襲った台風の被害についてもご心配いただき、田島議長が「おかげさまでたいした被害はありませんでした」とお答えしました。

 【写説】1997年に熱海駅で両陛下をお迎えした際の写真を手にする川口さん