■斉藤市長髪林氏 第2回「予定通り」

 熱海市で昨年開催された第1回熱海国際映画祭の負債を巡って対立する斉藤栄市長と、映画祭企画・運営会社「フォーカス」社長の髪林孝司氏が29日、別々に会見を開き、実行委員会代表解任の是非と第2回映画祭開催についてそれぞれの正当性を訴えた。両者の主張は依然大きく食い違い、来月29日の開幕まで1カ月を切った同映画祭は実現性に疑問符が付く状況となっている。

 斉藤市長は27日の会見で予備審査を通過した第2回映画祭コンペ部門約40作品を確保したとした説明を撤回。「引き渡しを約束していた関係者が態度を翻し、金銭を要求してきた」と述べ、映画祭開催に必要な作品確保ができていないことを明かした。

 髪林氏解任については実行委の組合契約書の条項に記載された強制脱会の事由「脅迫的な言動・暴力、威力を用いた業務妨害」があったとして正当性を主張。映画祭に向けては「製作者に連絡を取って出品を要請して開催する。不可能ではない」と述べる一方「作品の数によっては中止の判断もある」とした。

 昨年9月に公表した「決算サマリー(概要)」に虚偽記載があった疑いには「事実確認していない」と述べるにとどめた。

 市内のホテルで会見した髪林氏は規約などを示して「決議のない解任は無効」と繰り返し、自身が今も代表であることをアピール。製作者に再度出品を求めて開催するという市長の方針に対しては「二重の出品を制限するルールがあって難しい」との見方を示した。実行委として映画祭は予定通り行うとし、「市には文化庁への補助金申請を昨年同様行うよう求める」と述べた。

 市長の要請で15日に署名、押印した全債務保証と市に迷惑を掛けない旨の誓約書に関しては「15日より前に発生した債務に法的効力はない」と述べ、多額の債務の支払いを事実上拒否した。

 両者の説明によれば、市が拠出した本年度分の負担金500万円のうち300万円は債務の返済に充てられ、残る200万円もすでに支出済み。双方が開催を主張する第2回映画祭は資金面でも難しくなっている。

 【写説】それぞれの主張をまとめた資料を示し、正当性を強調する髪林氏(左)と斉藤市長(右)