この人を一言で紹介する場合、年齢によって異なる。われわれ還暦前後の世代なら、青春学園ドラマの教頭役の俳優。柳生博さんとの名コンビで、主人公の熱血先生を追い出そうとする役柄が印象深い。声優でもあり、ノンフィクション「積木くずし」シリーズの著者としても知られる

 ▼その人は、旧大仁町(現伊豆の国市)出身の穂積隆信(本名・鈴木隆信)さん(85)。先日、キャリア教育の一環として、母校である県立韮山高で「私の職業選択~俳優・声優への道~」をテーマに講演した

 ▼穂積さんは、自らの俳優生活を振り返り「悪役ばかりやり、30回以上は殺された」「教頭は、大抵は意地悪な役だった」。また同校卒業後に家出、闇市で働き“インチキせっけん”を売り歩いたことなども話した

 ▼後にだましたおばあちゃんに謝罪した際、快く許してくれ「若者は世間と調和していかないといけない。人のいやがることをしてはいけない」と諭されたという。その上で「人は青春時代の感動は一生忘れない。今が人生で一番大切な時」と語り掛けた

 ▼父・忠さんは同校校歌の作詞者でもあるが、穂積さんが俳優として活躍したのは、1960~90年代。講演は、生徒たちにどう響いただろうか。