「みで泥をさらう」。先日、先輩記者の原稿に記されているのを見て、首をかしげた。「み」が分からなかったのだ

 ▼穀物をふるって殻からごみを振り分けるための道具のことで、漢字では「箕」と書く。先輩は子どもの頃から地域や学校の清掃で使っていたという。インターネットで検索して画像を確認すると、見たことはあっても名称を知らない道具だった

 ▼同僚にも「み」を知っているか聞いてみると、首を横に振るばかり。「すくい籠」と呼ぶのを聞いたことがある、と話す後輩もいた。土地によって呼び方が違うのか、生活の中で道具を使う機会が減り、名が伝わっていないのか―と耳慣れない言葉に出合い、思いを巡らせた

 ▼「デバイス」「プロトタイプ」「レコメンド」…。最近、取材の際に別の意味で耳慣れないカタカナ言葉に出合い、戸惑うことが多い。日本語に訳すと「機器・装置」「原型」「勧めること」。本紙が表記の基準とする「記者ハンドブック」には「一般化していない外国語は極力、使用を避ける」とあるため、一つ一つ訳を確認しながら記事を書く

 ▼件[くだん]の「みで泥をさらう」だが、幅広い年代の読者に伝わるかどうかを検討。結果「泥をさらう」のみの表記となった。