幕末の下田開港、1961年の伊豆急開通に続く“第3の黒船”として期待が高まる伊豆縦貫道。天城をはさんだ半島の南北で工事が進み、残る天城越え区間も3月下旬には複数のルート案が示される

 ▼現実味を帯びてきた全線開通を視野に、人口減と少子高齢化が加速する賀茂地区で動きが活発化している。地域の有志でつくる「伊豆創研」は、「共通ビジョンの下、一体的に取り組まなければ衰退するばかりでチャンスも生かせない」として賀茂地区の将来像策定を進める

 ▼下田市稲梓地区の区長会は、地元に開設されるインターチェンジに地元の地名を付けてもらおうと勉強会を開いたり、建設残土を利用した埋め立て地の活用計画を描いたりしている

 ▼縦貫道は観光振興や渋滞緩和などの整備効果が期待されている。とりわけ伊豆西南部では、救急医療と緊急輸送としての役割が大きい。ドクターヘリが飛べない夜間に、心筋梗塞など緊急を要する疾患を発症し、峠越えの途中でいくつもの命が失われている

 ▼南海トラフ地震では、海岸線の道路は津波による寸断が予想され、内陸部を走る縦貫道が救援ルートとなる。縦貫道は切実な“命の道”でもあり、あらためて一日も早い開通を願う。