眼下に南熱海地区の街並み、視線を上げると相模灘が広がり、初島も望む。道沿いに植わるあたみ桜の葉の緑も美しかった。「さくらの名所散策路」を歩きながら、数年前に県立熱海高の岩田享校長(当時)が話した「完成すれば日本一素晴らしい通学路になる」という言葉を思い出した

 ▼JR伊豆多賀駅と同校を結ぶ総延長760メートルの遊歩道で、熱海市が整備した。道沿いにあたみ桜を中心に、ヒマラヤ桜、ソメイヨシノなどが植わり、見晴らし台もある

 ▼駅から“直通”の通学路の整備は、1967年に同校が桃山町から下多賀に移転した頃から学校関係者の念願だった。2002年に着工したが、同校寄りの300メートル余りが完成した時点で用地交渉の難航などにより中断、開通までに15年を費やした

 ▼新たな観光資源としての活用も期待される。市は17年度以降、新たに開通した道沿いの樹木を間伐して眺望を確保し、あたみ桜の植樹を進める。近い将来、糸川遊歩道に並ぶあたみ桜の名所になる見通しだ

 ▼桜のピンク、木々の緑、海や空の青…。四季折々の自然に彩られる“絶景の通学路”は、日々歩く生徒たちの情操を育むだろう。住民や訪れる人たちとの交流も生まれることを期待したい。