思いがけず21日、東京の開花宣言で始まった2017年の桜前線。彼岸すぎに気温が上がらなかったことから開花予想が修正された。東海地方から西では平年より遅そうで、静岡県は4月2日という。待たれる開花を前に、西海岸の知る人ぞ知る桜の名所2カ所を紹介したい

 ▼まずは沼津市戸田の宝泉寺。幕末、ロシアからの黒船で来航したプチャーチン提督ら上官の宿舎になったことで知られる名[めい]刹[さつ]で、境内に戸田滞在中に死亡したロシア水兵2人を祭った「露国人之墓」がある

 ▼桜は、この墓碑に向かって流れ落ちる滝のような枝垂れ。斜面に根を張り伸びている樹齢200年近い古木で、高さは約30メートルある。やはり今年は遅めで、まだ開花は見られない。同寺によると「咲き始めると一気。次の週末には見頃になるのでは」という

 ▼もう1カ所は、伊豆市小下田の名刹・最福寺。当地出身の第14世本因坊・秀和の顕彰碑があることで知られるが、珍しい枝垂れ桜でも有名だ。2001年に認定された新種で「伊豆最福寺しだれ」と命名された。淡いピンク色の八重咲きで花房はピンポン球ほど。4月8日に花見イベントがある

 ▼華やかな名所や並木もいいが、静かな境内での花見も趣がある。