水平線を望みながら、空と海の青さの対比や砂浜に寄せ返す白波を眺めてくつろいでいると、突然後方の草むらから独特のさえずりが響いた。ウグイスだった。いつだったか、休日に自宅から車で20分ほどの距離にある下田の海岸での出来事だ

 ▼伊豆は海や川、山がもたらす豊かな自然の幸を四季を通じて味わうことができる。県内もそうだが、先日、県桜えび漁業組合がサクラエビの春漁を一時休漁すると静岡新聞で読み気になった。初漁で水揚げした魚体が小さかったための対応という。再開後の豊漁を願う

 ▼同じ季節の恵みホタルイカは富山県が知られるが、今年は気温が高い影響で漁期が短くなる可能性があると全国紙で読んだ。そのホタルイカ、熱海市網代の定置網で大量に取れたことがあったそうだ

 ▼俳句を愛好した父の書棚にあった園部雨汀さん著「俳句・魚の歳時記」(博友社)で最近知った。初日は小イカだと思ったが翌日にホタルイカと分かり、富山県の市場に出荷し取引されたとある

 ▼同著は伊東に生まれ、伊豆の海を知る園部さんの「生涯の魚についての集大成」という。魚の例句だけでなく、随筆のような文章が味わい深い。伊豆の海の恵みを教わりながら大切にしたい。