自宅の部屋が散らかっていたので休日に片付けを始めたが、全く進まなくなった。郵便はがきの束が気になって読み始めたからだ

 ▼その中に山形県から伊豆旅行に訪れた女性グループの一人からの一枚が目にとまった。10年ほど前、取材先で呼び止めて写真に収まってもらい掲載紙を送った方だった。「旅先で出会った皆さまのご親切に感謝します。今度は下田のスイセンを見に行きたいです」とあった

 ▼人との出会いは旅を楽しむ上で大事な要素の一つだろう。電車なら目的地までの駅や宿泊先、飲食店、土産物店などで土地の人に接する。触れ合いの多くは一期一会だろうが、地元の人の接し方次第で旅の印象が決まってしまうこともある。観光地・伊豆に住む者として、もてなしの心を忘れずにいたいと再認識した

 ▼京都に暮らす知人の陶芸家夫妻が、久しぶりに地元で作品展を開いている。行きたかったが都合がつかず、やむなく見送った。作品はもちろん、彼らの人柄に引かれて会いに行くのが旅する理由の多くを占めている

 ▼首都圏に住む友人たちは、定期的に伊豆へキャンプに訪れる。「今度は河津桜の咲く時に行きたい」と言っていたので「ソメイヨシノの時も選択肢に」と伝えた。