住民は当たり前に思っていても、観光客は喜び、感動することが伊豆には多くある。「海」もその一つで、大型連休中の海岸沿いは若者や親子連れの姿があり、釣りを楽しむ人も見られた

 ▼JR伊東駅や繁華街に近く、周囲は旅館が立ち並ぶ伊東市の伊東オレンジビーチで、伊東温泉宿泊客を対象にした5、6月の日曜日限定企画「観光地引き網体験」がスタートした。子どもは楽しそうに網を引き、親は写真撮影に大忙しだった。終了後は磯の香漂うみそ汁も堪能した

 ▼伊東の観光地引き網の歴史は古く、1968年7月に第1回が行われている。今よりも網は長く、仕掛ける場所も沖合、捕れる魚も多かったという。当時を知る伊東観光協会元事務局長の水口進吾さんは「春、夏、秋と3シーズンやったこともある」と懐かしむ

 ▼砂の流出を防ぐ離岸堤の設置により一時は中止を余儀なくされたが、大手旅行会社の観光商品の特典になったことをきっかけに2005年復活した。以降、継続して開催されている

 ▼観光資源の「海」を活用した非日常的な体験は開始から半世紀が過ぎた今も、老若男女から支持されている。新旧を問わず、ニーズに合ったイベント開催の重要性を再認識させられた。