ジャカランダは“気まぐれ”で咲くか、咲かないか、その年になってみないと分からないのだという。今年、熱海市街地の海岸線に植わる木々はおおむね機嫌が良いようで、青紫色の花が行楽客や住民を楽しませている

 ▼熱帯地域を中心に分布し、「紫の桜」とも呼ばれる。熱海での植栽は1990年、国際姉妹都市したポルトガル・カスカイス市から贈られた2本から始まり、現在はお宮緑地の遊歩道や渚町の国道沿に140本余りが植わる

 ▼遊歩道の整備には、伊豆山でホテルを直営する大塚商会の相談役名誉会長の大塚実さんが私財を寄せた。ポルトガルの首都リスボンで街路樹として見事な花を咲かせる光景を見たことから、熱海の海岸通りにも植えたいと提案し、実現させた

 ▼整備から3年目の今年は、バスツアーで訪れる客が増えた。開花状況を何度も問い合わせたり、開花に合わせて宿泊する行楽客もいて、観光資源となりつつあると感じた

 ▼市や観光関係者はジャカランダの知名度はまだ低いとみて、守り育てることと併せプロモーション強化を課題に挙げる。かつて本紙の取材に大塚さんは、熱海再生を支援する思いを語り「玉磨かざれば光なし」と指摘した。肝に銘じたい。