富士山頂に至る4登山道のうち、1日に開通した山梨県側の河口湖口に続き、静岡県側の富士宮口、御殿場口、須走口の3登山道が10日に開通する。日本一の霊峰に親しむ待望のシーズンを迎える

 ▼富士登山は、一般的に5合目から山頂を目指す。噴火の痕跡が残り、豪快な砂礫[れき]帯があったり、それぞれのルートに特徴がある。苦労して日本一の頂を極める達成感は格別だ

 ▼山腹を歩くのも楽しい。1合目から登る吉田口登山道は、江戸時代に富士信仰の登山者でにぎわった古道。富士吉田市の富士浅間神社から5合目までの登山道には石碑や社などの史跡が多い

 ▼裾野市の須山浅間神社を起点に、富士宮口か御殿場口に合流する須山口登山道も、室町時代の文献に残る古道。明治以降、御殿場口の開設に伴い廃道状態にあったが、1997年に地元が中心となって復活させた

 ▼富士宮市の村山浅間神社を起点とした村山古道は、平安時代末期からの修験道で、さらに苔[こけ]むした歴史を感じる。近年、NPOが復活させたが、未整備区間も多く、訪ねる場合は細心の注意が必要だ。山麓には25カ所の世界文化遺産構成資産もある。体力や趣向に応じ、それぞれの富士山の魅力に触れてみてはいかが。