こうした言い方は適切ではないかもしれないが、台風の方が“マシ”に思えた。台風なら、どういうコースを進み、何時ごろから風雨が強まり、何時ごろがピークで、何時ごろには静まる−との予想がつくからだ

 ▼先週、山陰や九州地方を襲った豪雨は大きな被害をもたらした。特に福岡県朝倉市、大分県日田市の県境地域の惨状は目を覆うほど。あちこちで大規模な土砂崩れが起き、土石流となって集落を襲った。民家ばかりでなく、道路を寸断、橋、鉄橋も押し流した。被害の詳細はまだはっきりしない

 ▼被災地には、大雨・洪水警報、土砂災害警戒情報などに加え、「50年に1度の記録的大雨」として「特別警報」が出され「記録的短時間大雨情報」も発表された。豪雨をもたらしたのは「線状降水帯」という気象現象で、予測が難しいという

 ▼伊豆地区でも1958年の狩野川台風、2004年の台風22号をはじめ多くの風水害の経験がある。交通網の寸断により陸の孤島と化す地域が少なくなく、被災地の状況は人ごととは思えない

 ▼土砂災害危険地域に砂防ダムを設けるなどハード面の安全対策は、一朝一夕にはできない。われわれがすべきことは、早めに安全な所へ避難する。これに尽きる。