梅雨前線に向かって吹き込んだ湿った空気が山地にぶつかり、積乱雲が次々と発生し、雨雲は線状に連なってかかり続けた。九州北部を襲った記録的な集中豪雨のメカニズムだ

 ▼記憶に新しい2013年の伊豆大島の土砂災害は、この「線状降水帯」がもたらした。1958年の狩野川台風でも線状降水帯が伊豆半島から大島にかけて発生している

 ▼伊豆の背骨である天城山の年間降水量は日本の平均の約2・5倍で、伊豆半島は急斜面が多く、土砂災害の危険が常に危惧される。昨年3月、伊東市の県道で巨石が道路に転がり落ちた。応急工事が施されたが、今も「積算雨量150ミリ、時間雨量50ミリで全面通行止め」の看板が残る。県は年内に本工事へ着手、年度内完成を目指すという

 ▼同市内の赤沢でも昨年10月、国道135号と市道八幡野草崎線に挟まれたのり面が崩壊。市と県の両方で工事を進めているが、終了は9月末になる見通しという

 ▼落石、のり面の崩壊は短時間の豪雨も怖いが、雨が長時間降り、地面に浸透して地盤を緩め、土砂崩れなどを誘発させるのも怖い。異常気象が叫ばれる昨今「想定外」はない。伊豆の市町はどんなことも起こり得ると考え、災害に備える必要がある。