数え年で70歳の「古希[こき]」は、中国唐代の詩人、杜甫の「曲江詩」の詩句にある「人生七十古来稀[まれ]なり」に由来する。当時は70歳まで生きることが稀だった。平均寿命の延びた現代は、古希が当時の長寿の証し「還暦(60歳)」に当たると言われている(語源由来辞典など)

 ▼伊東市は10日、市制施行から70年を迎える。1947年、伊東町と小室村が合併して誕生し、55年に宇佐美村、対島村との合併で今の形が整った。行政のトップである市長は現在の小野達也氏が19代目だ

 ▼今日までにさまざまな出来事があったが、89年の「海底火山(手石海丘)噴火」は全国的にも注目を集めた。陸地に近い場所での噴火に加え、伊豆全体を悩ませてきた「群発地震」の正体が海底火山だったからだ

 ▼その前年に起きた「松原大火」は、アーケード街の店舗から出火、強風にあおられて飛び火し、火災現場が二つになるという事態を引き起こした。建物が黒く焼けた市中心部の光景は悪夢でしかなかった

 ▼人の70歳は「まだこれから」であり、誕生から70年の伊東市も「まだこれから」だ。急速に人口減少が進み、自治体経営が難しくなる中、未来を切り開くのは、明確な展望と官民が一体となった行動力だ。