南伊豆町の前原橋のたもと、スナック・ナウの場所にはかつて映画館があった。南中地区なので「南中座(なんちゅうざ)」だったという。嵐寛寿郎や市川雷蔵が活躍した映画全盛時代、小さな映画館が各地にあった。

 今では賀茂地区に常設の映画館はなく、下田市民文化会館の上映会があるくらいだ。新作を見るには、6回映画化された「伊豆の踊子」や松本清張原作の「天城越え」を体感しながら峠をドライブすることになる。

 テレビの台頭で館数は減ったが、スクリーンの魅力は衰えない。先日妻良の移住者の家を訪れると、大きなホームシアターセットがあった。10月ごろに上映会を企画中という。実現するのを楽しみに待っている。(航)